早朝、5時、母から連絡が入りまた。
私は最近早起きで、その時間には目が覚めていることが多いのだけれど、今朝はなぜだかぐっすりと寝ていました。
深い深い眠りについていました。
電話に出ると、母からで
今お父さんの呼吸が途絶え途絶えになっている
と。
私は、今から行けば看取れるかもしれないと、飛び起きました。
ただ、ここで一瞬ためらって、子供たちとも一緒に行った方がいいと判断し、子供を起こしました。
子供達は眠気まなこのままパジャマ姿で、私は簡単な服を着て家を飛び出ました。
でも、ついた時にはもう息をしていませんでした。
ずっと高熱が続いていて、今朝4時に母座薬を入れたんだと言っていました。
ただ、母はいつもなら夜中父のトイレで起こされているのに、今朝はよく眠れて、気がつかなかったと言っていました。
母は本当は呼んでいたかもしれない、とすでに後悔の念が生まれつつあるようにも思いました。
まさか、こんなにあっさり逝くなんて、と。
私は、父と自分はどうやって死ぬのか考えているんだと先日話したばかり。
熱が続き、とても辛そうではありました。
でも、苦しんた様子もなく、ロウソクの火が消えるように息を引き取ったようです。
私が駆けつけた時には、まだ暖かく体も柔らかかった。
お父さん、お父さん
と声をかけても戻ってきませんでした。
子供達にも、手を握らせ、
じいじ、じいじ
と特に長男が泣きながら、叫んでいました。
次男はいつもと状況が違うことは肌で感じてはいるものの、戸惑いながら、じいじと呼んでいました。
でも、やっぱり父はもう返事をすることはなく、そこに横たわっていました。
昨日、熱があろうと椅子に座り肩で息をしながらこたえていたのに。
目の間にいる父は返事もしない、とても不思議な感覚です。
そうこうしていると、看護師の方が来て、脈が止まっていることを確認。
その後、ドクターがきて死亡が確認されました。
長男は横になって嗚咽をしながら泣きじゃくり、次男はおとなしくその横にいました。
ドクターから、
立派でしたね
と声をかけられました。
振り返れば、確かに父の闘病生活は立派だったと思います。
私には絶対に下の世話をさせなかったし、とことん病気と闘ったと思います。
父のプライドは絶対で、彼の美学を感じます。
高熱を出しながらも、椅子に腰掛け、私に最後にかけた言葉は「腹減った」です。
本当に、彼なりの「男の意地」をとことんはった人生じゃないのかな。
そして、とても不思議なんですが、父に対して、私はとてもやりきった感じがあって、こうしてあげればよかったとか、そう言う後悔の念が今の所全くありません。
最後の数日、ブログでも書きましたが、父と結構深いところまで話が及び、言いたいことを残らず全部私は父に伝えています。
父とは自分の中で確執があったと思っています。
でも、この数日で私はその想いから解放され、完全に父を受け入れられたんだと思います。
そして、何より、この闘病生活の主導権を持っていたのは紛れもなく父でした。
全ての治療方針を自分で受け入れ、父が決定しました。
手術、抗がん剤治療を拒否して、最後まで食べること、人間らしい生活をすることを選びました。
そして、やりたいことを母もそうですが、私も片っ端からやり遂げたました。
やりたいこと聞いたら、とにかく即実行。
食べたいものも、文句も言わずに食べさせていました。
勝手だなぁと思う時もたくさんありました。
でも、こうして亡くなってみると、そうした事でが周りは後悔がとても薄くなることを肌で感じました。
人生ってある程度は勝手でもいいのかも。
父、71歳。
最後は安らかに亡くなりました。
お父さん、今まで育ててくれてありがとう。
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コメント
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謹んでお悔やみ申し上げます。
夫も旅立つ前日は今までにないくらいの
高熱でした。何をしても下がらないくらい。
そして、明け方
隣で寝ていた私を気遣ったのか
そっと一人で旅立ちました。
旅立つところを
私に見せないようにした
夫の最後の優しさ、と
ある方から言われました。
お母さん、後悔していると思います。
私もたくさん後悔しました。
ですがお父さんに
誰よりも一番寄り添っていたのは
お母さんです。
お父さんもお母さんも
よく、頑張りましたね。
しばらくは大変かと思います。
御自愛ください
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きちんとお父様と向きあい、確執がなくなったと感じられた後の旅立ちだったのですね。
やりきった感を得られたのはせめてもの慰めになりますね。
お母様はやはり、もっともっと…と後悔もおありでしょう。
でも、お父様はご自分で闘病生活を決められ、ご家族に看病をしてもらいながら人間らしい生活をされたこと、とてもご満足されたのではないでしょうか。
どうかご家族皆さん、ご無理をなさいませんように。
ご冥福をお祈りいたします。
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>itsmylife14さん
コメントありがとうございます。
あんなに辛そうだった父ですが、今は本当に穏やかな顔でいます。
苦しみから解放され、私はある種ホッとしたような、変な感覚すらあります。
母は、やることがたくさんあって、まだ気丈していますね。
家族で支えていきます。
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>ぼっちさん
コメントありがとうございます。
父は最後の最後まで食事をしたり、会話をしたり、本当に人間らしい日々を過ごしていました。
これから母がガクッと来ないといいなと思いますが、支えていきたいと思います。