人生を切り分けるとは
夫と結婚し、子供も授かり、家族となり、一緒になったと思ったのにも関わらず、私たちは夫が亡くなりました。
二人三脚でやっていこうと思った人生のパートナーを喪うというのは本当に辛く、苦しいことです。
しかし、夫は他人です。
二人三脚で例えましたが、その結ばれた足の紐を解けば、身動きが軽くなります。
ですから、そのほどき方、つまりは切り分け方を知ることで、苦しさを軽くできます。
夫の人生を振り返る
夫は何処に生まれ、どのような親に育てられ、どんな人生を過ごしたか、考えたことがありますか?
伝記を読むように、パートナーの人生を客観的に捉えたて見てください。
書き出してみても良いでしょう。
例えば、私は、家族療法の講義で歴史的な大きな出来事が記載されている年表に、家族の年齢を入れ、さらには家族のイベントもそこに書き足すという作業をしました。
そうすると、世代の違いなどが浮き彫りになり、なぜ親に理解されなかったのか、なんとなく理解できました。
夫に至っては、育った環境が違います。
ですので、世代が近くても、生育環境から来る価値観が違います。
夫の人生は夫の人生として、あなたと分かる範囲で掘り起こしていくと、尊重できる人生だと思えるところがたくさん見つかります。
そして、あなたに出会い、何かを求めてあなたと一緒になりました。
あなたの人生と重なり、どのような時間を過ごしましたか?
旦那様はどのような表情でどの様な話をあなたにしていましたか?
その人生は夫婦のものであると同時に、夫個人の人生です。
夫の人生は別物であることと理解しましょう。
自分の人生を振り返る
次に、同じようにあなたはどのような人生を歩んできたか振り返ってみましょう。
あなたはどんな環境で育ち、どのような価値観を持っているのでしょうか?
肯定的に捉えられているのか確認してみましょう。
やっと夫に出会えて、楽になった方と思っていたかもしれません。
しかし、夫は魔法使いではありません。
彼があなたを幸せにしたと思っているかもしれませんが、同時にあなたが相手を幸せにしていました。
そして、あなたが自発的に「幸せだ」と感じていたのです。
あなたの人生の主役(主語)はあなたでなくてはいけません。
今までの人生があったから、あなたが夫との時間を幸せだと感じ、死別の苦しさを味わっています。
そこを否定してしまうと、彼との時間も否定してしまうことになってしまいます。
自分の人生を振り返り、自分の人生を尊重しましょう。
そして、夫と出会うまでにも、たくさんの困難や喜びがあったことを、それを乗り越えてきたことを思い出していきましょう。
夫とあなたの人生のバランスを
夫人生だけが素晴らしく、あなたの人生は死別をしたから冴えないと思ってはいませんか。
もしくは夫が死んだせいで、冴えない人生になってしまったと考えていませんか?
冴えないと思っているから冴えない人生なのにしてしまっているのかもしれません。
どちらの人生も客観的に尊重できるものだと捉えることが、切り分けるということです。
現在の「点」だけを見て、自分や夫の人生を否定的に捉えてしまうのは、あまりにも寂ししすぎます。
人生は続いてきたもので、そしてあなたの人生はこの世でまだ続いていきます。
旦那様の人生は、ここでは終わったかもしれませんが、何処か違う場所で続いて行っているのです。
現時点で夫や夫の人生に執着せず、旦那様の次の人生へ送り出し、自分自身も今後の人生を貪欲な位楽しむのだと夫に宣言するのです。
楽しむには行動をしないと変わらないことがたくさんあります。
パワーも必要だし、心が折れそうになる事もあるでしょう。
しかし、夫、自分双方の人生をどちらも別もので尊重できるものだと思えれば、さらに自分の人生を大切にできます。
↓クリックして応援よろしくお願いします。
![にほんブログ村 家族ブログ 死別へ](https://b.blogmura.com/family/shibetsu/88_31.gif)
コメント